[彼女がほしかったら−成果がほしかったら]

1.イケメンにムカツク少年
「イケメン同級生をグループでリンチ」
通勤電車の中でスポーツ新聞を見ていると、そんな見出しが目につきました。
「『もてるのがムカツク』とイケメンの同級生を集団リンチしたとして、警視庁少年事件課と●●署は、傷害の疑いで東京都●●中学に通う中学3年生の14、15歳の少年グループ12人を逮捕した。」
「可愛い子はイジメられるもの」とはよく聞く話ですが(最近は男子中学生がねぇ。それにしても「ムカツク」は、どのような行動の理由にもできる便利な言葉であるものだ。いやあまりにも便利すぎる・・・ムカツイタ後は「キレタ・ゼ」ナドシタトシテ、とりあえず自分に納得がついて行動にオヨベルのだものなぁ)ナドト思いながら読んでいくと、「動機はねたみ。同署などによると、12人は、イケメンの男子生徒が女子生徒にモテモテだったため〜(中略)〜『おれに彼女がいないのに何でお前だけいるんだ』などと因縁をつけ、犯行に及んだという。」それはそれで魂の叫びなのでしょうが、
・おれに彼女がいないのに
・何でお前だけいるんだ!
 この疑問と瞋恚には、
「人は平等であるはずなのに、不公平で、かつ不正である(ズルイベヤ!)」という論理が続きます。(「ズルイベヤ」北海道の少年言葉です。)
この少年たちも小学生の頃に「運動会で、手を繋いで走って、全員1等賞!」なんていうふうに教育されたのだろうか…と電車の中で想像してしまいました。
そんな子は、社会にでたら生きているのがいやになるほど苦労するだけだろうにと思ってましたが、早々と「彼女」をテーマに思春期に…。逮捕されて、反省する機会になれば、それは良かったのかもしれない。

2.違いを認める
 人より足の速い子はいます。遅い子もいます。でも人間、足だけで生きているわけではありません。
イケメンとブサイクの違いはあるでしょう。今日モテる男子とモテない男子は確かにいるでしょう。
 しかしその「違い」を認めないところで、人間は生きていけません。
もちろん、「同じ」を認めないところでも人間は生きていけません。そして何よりも大切なことは、今日モテない男子生徒が、明日もモテない男子であるとは、とても言えないということです。
「違い」を認めるからこそ「さあ…、俺は足が遅く、かつブサイクである。これからどうしょうか?」と考えて、行動すること→活きていくことができます。
 「違い」を無理に「同じ」する思考は、いつでも「同じ」を「違い」する「差別」に転化します。運動会で走らせて順位を認めないなんて、とんでもなく残酷なことと思います。 
 そして「子供は平等ですよ」という言葉には、「保身」の臭いさえします。
昔、一度話を聞いたことのある評論家が最近の対談ものの本のなかで
「私は賛成ですね。なぜなら・・・我々大人に、子供の順位を決定する権利はない・・・」
このような評論家は子供を観念にしてしまっています。観念にしてしまった子供を対象にした大人の頭の中でできあがった大人の都合による大人の論理です。こういうのを養老猛志さん風に言うと「バカの壁」というのであろう。
 私風に言うと、人間、現実から遊離して頭の中で考えすぎた考えは煩悩になります。それは成功の反対、ハタ迷惑→転落→破滅に向かう、マイナス・コンピテンシーです。
 その第一歩は保身です。
(自分がなんとなく可愛い)保身のあるところに成長も、明日の成果もありません。

3.彼女がほしいなら
少年よ。君がブサイクであって、それを恨みとするならば、親恨め。
君がモテないことを恨みとするなら努力しない自分を恨めばよろしい。
街に出れば、ブサイクな青年が彼女を(中には超美人を)ゲットして・・・誇らしく歩いているではないか。
だいたい、君は、本当に彼女がほしかったのか?
自分がなんとなく可愛いだけではなかったのか?
彼女がほしいなら
@愛があって
A勇気があって
B気の利いた言葉(「一生、全力をあげて・・・」とか)など、少しの集中力ある工夫があれば、サクセスは可能です。
ただし、繰り返しますが、対象と情況を観念化するとストーカーになります。「僕は死にましぇーん」と自己主張して、トラックの前に飛び出すのは、運転手さんと運送会社にとって、とても迷惑なことです。死を賭けるものとしてトラックを人格化し、運転手さんの人格を認めていません。相手の女性も気持ち悪いに違いない。

 この3つは並列の要件ではなく、3段ロケットように直列です。そして
C失敗にへこんだままになっていないこと

嗚呼、この真実を少年の頃に気づいていたら、私の青春もバラ色だったろうに。気づいたときには、すっかり中年でもう遅い。いや、もう遅いから気づいたと言うべきか。人生において「彼女」ほどの成果はあろうか。

*この文において、「彼女」と「彼氏」は交換可能です。性差を問題にしてはおりません。(労務管理において「母性」は問題ですが。)そしてもちろん「成果」とも交換可能です。

阿世賀 陽一