ここは横須賀

1.坂の上の雲

 NHKの、平成21年の大河ドラマを年の瀬がくる前に終わりにさせてまでの「坂の上の雲」は、やはり面白かったです。
 明治から日露戦争までなんて、日本が一番良かったときかもしれません。
(いやなこともあったと思いますが)
 雲を見ながら坂を上る・・・・それは、希望に満ちた時代であったでしょう。
 その後は?坂の下の池か、業火か。
 ということで、12月13日の日曜日、勉強仲間と共に戦艦「三笠」が保存されている、かつての鎮守府、横須賀を訪ねました。

2.ドブ坂通りにて

 JRの横須賀駅を降りると、やや遠くに大勢の人々。
「おそらく、あれが新聞に出ていた小泉衆院議員の自衛隊見学ツアーだろう」と言いながら、海の方を見ると、そこはもう寒々と汐風が吹く軍港でした。
 横須賀には何度か来たと言う友人たちから
「小泉議員へのサービスだろうか」
「いや、今日のような日を小泉議員が選んだのだよ」
という話が出るほど、その日は米軍と自衛隊の艦船が多く停泊していたので、予定を変更し、港内遊覧船に乗って、横須賀を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントンや自衛隊の新しい多目的護衛艦(とガイドが説明していましたが、どう見てもヘリ空母)「ひゅうが」までをも見ることができました。
「あの全長333メートルの巨大な空母が停泊している向こうの山の反対側はベースといって、米軍は単身赴任を好まないので、その家族2万人が暮らしています」とガイドが話していました。それは大きな存在感でした。
 陸に上がって「ドブ坂通り」で、名物ジョージ・ワシントン・バーガー等を食べ(私はそのような、ビールが入る余地を喪失させる巨大なモノは食べませんでしたが)、三笠公園に向かう途中の基地ゲートの前で、やはり
「アメリカは日本守ってくれている」のではないと思いました。
 アメリカは、プレゼンスしているのです。

3.旗艦「三笠」

 ロシアとの戦争で日本を勝利に導いた戦艦「三笠」は、「Z旗」を掲げて、米軍ベースのある山が見える公園に、繋船されていました。
 船内では「秋山真之と正岡子規展」として「坂の上の雲」の主人公たちの資料や写真が展示されていました。
本物の秋山真之もイイ男でした。
本物の秋山好古も渋い。しかしテレビの阿部寛は格好良すぎます。戦闘の最中に酒を飲んで馬を駆るシーンに
「まるでこれは上杉謙信ではないか!」
「実際、今年は上杉謙信だったし・・・・」
「なーるほど」(以上、夫婦の会話)
 正岡子規は、国語の教科書に載っていたとおり。
 本物の正岡律さんは・・・・(菅野美穂ほど・・・・可憐なわけは、ないわなぁ)。

 建造から現在までの「三笠」の略歴を記したコーナーのハイライトは、もちろん明治38年5月の日本海海戦です。東郷平八郎が率い、秋山真之を作戦参謀とする連合艦隊の旗艦として、志気(やる気)、練度(熟練スキル)、情報ネット、環境(協力関係)、そして卓越した作戦とネルソンに比せられる統率によって、世界最強とも言われたバルチック艦隊を、ほぼ全滅させてしまった・・・・この海戦で、先頭を切って危険な敵前大回頭(丁字戦法、東郷ターン)を遂行し、集中砲火を浴びた「三笠」の死者は、攻撃が最大の防御というべきか、8名と書いてありました。驚異的なことだと思いました。

 

 そして次の行。同年9月、戦争集結直後の佐世保港で(東郷達が上陸している間に)「三笠」は爆発事故を起こして沈没し、339名の将兵が死亡したとありました。

(阿世賀 陽一)