昨日は夢

1.年末年始のテレビ

 年末年始恒例のテレビ番組を見ていると、良く言って「レジェンド(伝説)」、悪く言って「VTR編集もの」が多かったように思います。
 それは、何としたことなのでしょうか。
 考えられること
(1)過去から学び、現在に活かす!
(2)制作費の削減
(3)新しい企画の貧困
(4)今のものがおもしろくないという自白(自己証明)
(5)昔は良かった・・・・

<ひばり・百恵・聖子・明菜>
 歌番組では、戦後の歌謡シーンという長期的視野の中で、美空ひばりに匹敵する女性歌手といえば「やはり山口百恵だったのだなぁ」と思いました。
(私はもっと可愛いタイプが好きでしたが)

 アイドルというものは、歌が上手くなった頃には人気が落ちているという儚い商売ですが、それは「歌」ではなく「若さ」を「若い人」に売っているからでしょう。
 その商品と市場は共に、かつ早期に変質していく運命にあります。
 山口百恵は、早い段階でそれを乗り越えるほどに、歌が上手くなって、楽曲や環境にも恵まれたのだと思います。
 その商品の質の向上は、市場を拡大しました。

 その後の市場を狙って残ったのは、最初から歌が上手い松田聖子と中森明菜です。
 特に良いときの中森明菜の表現力は優れていたとあらためて思います。しかし悪いときはメロメロ。男に捨てられたとき、かつて美空ひばりが離婚後に「悲しい酒」を名曲にしたように、ぐっと堪えて「難破船」を歌っていればと「もしも」を考えました。

 そのようなことに全くタフな松田聖子は、ウソ泣きしながらも崩れない(ウソなのだからあたりまえか)。テレビを見ていると、声がかすれてしまった時などは、その後の一瞬の表情と音につなげて「表現」にしてしまうところなど、鬼気迫るプロの集中力でした。

<NHK紅白歌合戦>
 市場に若い女の子がある限り、何度でも再生産され続ける「ジャニーズ」の番組に、すっかりなってしまった「紅白」の目玉は、まさにレジェンドたる矢沢永吉でした。
 歌うは「時間よ止まれ」。
 しかし初めてそのロックンロールを聴いて以来、私の時間は35年経過。

<新春スターかくし芸大会>
 高度成長期を象徴していたお正月特番「新春スターかくし芸大会」は、今回が最後の放送。
 女房の実家で見てみると、これもVTR編集番組になっていました。
 昔のタレントの「本業の芸」ではなく「かくし芸」を見て懐かしむには「企画の対象年齢と見る側の年齢にギャップがありすぎ」と思っていると、中学生の姪がやってきて、チャンネルを変えました。
 ・・・・裏番組のほうが面白かった。

2.新年会にて

 仕事が始まると新年会シリーズです。
 忘年会や望年会は、師走の仕事が詰まっていて、実際には「忘れる」ことも、「望む」こともできないものですが、年が明けた「明るい会」には新鮮なものがあります。

<賃金管理士会>
 生産性本部の新年恒例、賃金管理士集会。
 87歳にして、新説「人材社会学」を提唱する楠田丘先生には、変化・進化することにぶれない姿を見ました。意見を聞かれ「人材を実現するには、育成の観点だけではなく、本人からの成長が必要」と申しました。
 恒例の春闘分析と予測。
 昨年「未曾有の春闘」と書きましたが、今年はそれよりもっと厳しい。
 ・・・・いかに、09年のダメージが大きかったか。

<ある新年会>
 顧問先様や団体の新年会には、いくつかお招きいただきました。
 ある新年会には、政治家の方々が来臨されていました。その列びが昨年とは、全く違います。
 昨年の今頃は、政権にあった党を代表してこられた方の挨拶は、過去の実績から話し始められた分、他の方より長くなってしまいました。
 立派な政治活動をされてきたのだということは、よくわかりました。

<また、ある団体>
 別の団体では、経済産業省の若い方が、今の政府が昨年暮れに出した新成長戦略を(マスコミは連日のように、「政権与党の幹事長VS検察=官僚」の「殺るか!殺られるか!最終戦争!」等、まるで別の分野(スジ)のようなタイトルで書いていますが)熱心に、ご自身の言葉で(そりゃそうなのでしょう)説明されていました。
 田中角栄元総理に象徴される「公共事業」ではない。
 小泉元総理に象徴される「市場原理主義」でもない
(それらは意義あるものであったとしながらも)
 第3の道として「需要」という課題解決のために「イノベーションしていく」というものでした。
 中身の個々の政策には論議があるものと思いますが、それは政権やそのトップの「さまざま」のこととは別に「底流と傾向」を感じさせるものでした。

 顧問先様の副理事長にご教示いただいた言葉です。

(アポロ計画の合い言葉だそうで、本来の意味は「昨日の夢は、明日は叶う」というアメリカン・ドリームを表現したものだとは思いますが、私は
「過去に拘泥せず、イノベーションしなければ、明日はない」と受けとめ、感銘しました)

 昨日は夢 今日は可能性 明日は現実

(阿世賀 陽一)