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平成21年12月の雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金の改正

 長時間労働を抑制し、労働者の健康を確保するとともに「仕事と生活の調和」がとれた社会を実現することを目的として、以下のような改正労働基準法が平成22年4月1日から施行されます。

 昨年の暮れからもう何回目の改正になるでしょう。
 政権が変わっても、やはり「雇用」は国家の礎であるのか、平成21年12月2日、雇用調整助成金および中小企業緊急雇用安定助成金の要件が以下の通り、またまた緩和されました。

1.生産量要件の緩和

 従来の要件に次の要件が追加されました。
「生産指標の最近3か月間の月平均値が前々年同期に比べ10%以上減少しており、かつ、直近の決算等の経常損益が赤字であること。」
 この追加要件は次の対象期間のものに限ります。

(1)雇用調整助成金は、対象期間の初日が、平成21年12月14日から平成22年12月13日の間に あるもの(対象期間の初日とは2年目初日含む)

(2)中小企業緊急雇用安定助成金は、対象期間の初日が、平成21年12月2日から平成22年12月1日の間にあるもの(対象期間の初日とは2年目初日含む)

2.平均賃金額の計算方法の改正

 休業等協定において暦日数で除した賃金単価をもとに支払率を設定している場合、助成金の平均賃金額の算定においても年間所定労働日数ではなく暦日数で除することとなりました。
 平成21年11月30日以降の初回の計画届から適用になります。(初回の計画届とは2年目初回含む)
休業等協定において、休業手当の支払いを平均賃金の○○%支給するというような内容で締結しているときは、ご注意下さい。

3.支給制限(出向)に係る暫定措置

 本助成金等の対象となる出向の終了後6か月以内に当該労働者を再度出向させるものでないことであったが、6か月経過しないものについても支給対象となりました。
 この暫定措置は、再度の出向の開始日が平成21年11月30日から平成22年11月29日までのものに適用されます。

4.申請様式の統合

 平成21年11月30日以降の支給申請から一部様式が統合されました。


(1) 限度時間を超えて働かせる一定の期間(1日を超え3か月以内の期間及び1年間)ごとに割増賃  金率を定めること
(2) 上記の率については法定割増率(25%以上)を超える率とするよう努めること
(3) そもそも延長することができる時間数を短くするよう努めること

A月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。

(1) 深夜(22:00〜5:00)の時間帯に1カ月60時間を超える法定時間外労働を行わせた場合は、深  夜割増賃金率25%以上+時間外割増賃金率50%以上=75%以上となる。
(2) 1カ月60時間の法定時間外労働の算定には、法定休日に行った労働は含まれませんが、それ以  外の休日に行った法定時間外労働は含まれます。

 引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇制度)を設けることができます。
 代替休暇制度導入にあたっては、過半数組合、それがない場合は過半数代表者との間で労使協定を結ばなければなりません。

<労使協定で定める事項>

・代替休暇の時間数の具体的な算定方法
・代替休暇の単位
・代替休暇を与えることができる期間
・代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日

上記Aの法定割増賃金率の引上げ関係の改正について、中小企業には当分の間、適用が猶予されます。

<猶予される中小企業>

・小売業  …資本金の額または出資の総額5,000万円以下、または常時使用する労働者数50人以下
・サービス業…資本金の額または出資の総額5,000万円以下、または常時使用する労働者数100人以下
・卸売業  …資本金の額または出資の総額1億円以下、または常時使用する労働者数100人以下
・その他  …資本金の額または出資の総額3億円以下、または常時使用する労働者数300人以下
※人数は企業単位で算定。出向社員は出向元・出向 先の双方に、派遣社員は派遣元でカウント。

B過半数組合、それがない場合は過半数代表者との間で労使協定を締結すれば、年に5日を限度として、時間単位で年次有給休暇を与えることができます。

<労使協定で定める事項>

・時間単位年休の対象労働者の範囲
・時間単位年休の日数
・時間単位年休1日の時間数
・「1時間」以外を単位とする場合は「その時間数」

 以上のような法改正ですが、そもそも!割増賃金(コストだけではなく管理コストも大変)以前に、安全配慮義務違反(過労死とか過労自殺とかの過労による業務災害)のリスクもある、そのような残業を「しない」「させない」ことが重要です。
 そして、「休暇」等々で勤怠管理や企業秩序がゴチャゴチャにならないよう、ご注意ください。

 「代替休暇」の未取得問題や「時間単位の年次有給休暇」を遅刻の穴埋めにされるような管理体制は、避けるべきです。

 


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