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公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための改正法

 「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」が平成25年7年1日に施行されました。主な内容は以下の通りです。

○改正の経緯

 国民年金の第2号被保険者(会社員)に扶養されている第3号被保険者(配偶者)は、年金保険料を納めなくてもよいのですが、会社員が退職した場合や自営業を始めた場合には、第1号被保険者(一般)へ切り替えて保険料を納付しなければなりません。この切替えをしていないことが判明すると第3号被保険者としての期間が取り消され、「年金未納期間」となってしまいます。このような、実態は第1号被保険者であったにもかかわらず、第3号被保険者のままとなっている記録問題で年金額や受給資格そのものに影響がある専業主婦等は、全国で50万人と推計されています。

○記録問題対象者救済の特徴

 年金を受給するためには、一定の「受給資格期間」が必要です(例として老齢基礎年金は原則25年以上の保険料納付済期間があることが必要)。今回の手続、「時効消滅不整合期間に係る特定期間該当届」を提出すると「未納期間」が「受給資格期間」に算入できるようになり、老齢年金の受給資格の確保のみならず、万が一の時の障害・遺族基礎年金の受給権確保にもつながります(障害・遺族基礎年金は加入期間の3分の2以上が保険料を納めている期間であることが必要)。

○特例追納について

 手続を行うと、提出された期間は最大10年遡って保険料を納付することが可能となります。この納付の時期は、平成27年4月から平成30年3月です。
 既に老齢基礎年金を受給している方で、特定期間が未納期間として既に訂正されている方については、特例納付した翌月から特例納付月数に応じて年金額が増額改定されます。
 逆に特定期間が納付済期間となっている方は年金額が減額されることになりますが、この後で述べる「減額下限額」が適用されます。
 特例追納は以下の期間のうち、先に経過した月から順次行います。
1.特例追納を行う時点で60歳以上の場合は、特定期間のうち50歳以上60歳未満の期間
2.特例追納を行う時点で60歳未満の場合は、特例追納を行う時点から過去10年以内の期間
 なお、すでに法制化されている後納制度による期間と特定追納期間が重複した場合は後納制度を優先します。

○減額下限額について

 7月1日(施行日)において老齢基礎年金等を受給している方(特定受給者)については、特定保険料納付期限日(平成30年3月31日)までの間、その時効消滅不整合期間は、保険料納付済期間とみなされるため、従前の年金額が支給されることとなりますが、特定保険料納付期限日の属する月の翌月(平成30年4月)以後は、保険料(特定保険料を含む)の納付実績に応じた年金額が支給されることとなるため、特例追納しなかった場合、又は特例追納が特定期間のうち一部の期間のみである場合は従前の年金から減額されることとなります。
 このため、減額後の年金額には、減額下限額(時効消滅不整合期間を保険料納付済期間として計算した老齢基礎年金の額の90%に相当する額)を設けており、従前からの年金額が急激に減少することを防止しています。

○障害・遺族基礎年金を受給している方の受給権の特例

 施行日以後に記録訂正がされ、不整合期間を有することとなった方であって、施行日において不整合期間が保険料納付済期間であるものとして障害・遺族基礎年金等を受給している方は、不整合期間を保険料納付済期間とみなして、引き続き受給権を維持し施行日以降も従前の年金額が支給されます。

 詳細またはご不明な点がございましたら、当事務所へご連絡下さい。

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